かなカードプロジェクト

概要

「かなプロジェクト」は、仮名学習教材の作成を目的に、2017年7月に始まりました。アルファベットとは大きく異なるひらがなやカタカナを、絵文字のインパクトを利用して、記憶に残りやすく、楽しく覚える手助けとなるような文字カードの制作を目指しています。絵文字は、かな文字の形と音から連想させて作ります。例えば、「すもう」(フランス語はsumo)の体と手の形がひらがなの「す」を表現することで、「す」という文字の形と音を覚える手助けになります。
sumo
 
 絵文字カードはすでにいろいろなものが出ていますが、本プロジェクトはフランス語圏の日本語学習者の役に立つような絵文字カードを作りたいと考えました。

楽しい仮名学習を目指して

カードプロジェクトは、2016年5月の日本語教師会ナント研修会で行われた山田ボヒネック頼子先生のワークショップを機に発足されました。山田先生のワークショップの様子、仮名カードの理論は、研修会の報告書からご参照いただけます(論文内の資料は教師会会員のみ閲覧可)。
また、ワークショップ後に、日本語のクラスでカード作りを実践した参加者の実践報告も合わせてご覧ください。
実践報告1
実践報告2

参加型プロジェクト

プロジェクトは、アイデア集め(第1期)、試用版の公開とフィードバック(第2期)、教材化(第3期)の3シーズンから構成されました。アイデア募集から、評価、改良など、様々な場面で、会員・非会員を問わず、興味のある方でしたらだれでも参加できるオープンプロジェクトです。

第1期  アイデアの募集(ひらがな46文字・カタカナ46文字 2017年~2018年)


かなプロジェクトの第一弾として、かなカードのアイデアの募集を開始しました。 以下のカード作成を参考に、必要事項と図案を入れての応募です。 会員・非会員を問わず、だれでも参加できるようにしました。

第2期  試用版の作成とフィードバック (2018年~2019年)


2018年2月に一旦締め切った絵カードのアイデア募集には多くの図案が寄せられました。このうち、著作権の問題などで使用できないものを取り除いた263枚について、2018年秋からは、プロジェクトチームとモニターによるフィードバックを基に、一枚一枚の図案を検討していきました。当初は、この時点で集まった絵を使った試用版を公開する予定にしていましたが、図案が多いこと、図柄が決まらなかった文字があることなどから、会員の中から募ったモニターのみへの公開としました。モニターからのコメント、プロジェクトメンバーそれぞれの教室活動を通じて、集まった絵を一枚ずつ検討していきました。

第3期 教材化 (2019年~2020年)

プロジェクトチームは定期的な検討会議を重ねて、最終的な図案の候補を絞り込む作業を続けました。わかりやすく、記憶に残りやすい絵カードを目指し、絵を引き受けてくださったイラストレーターの意見を参考にしながら、細かく決めていきました。一度決まった図案を別の図案に差し替えることも多く、思ったよりも時間がかかる作業となりました。
カード全体のデザインについても、大きさやフォント、文字の大きさや絵の位置など、試行錯誤を繰り返しながら、最終的な形がまとまりました。

完成したカードは、2020年4月に教師会会員に向けて公開されました。その後、2020年9月に一般公開を予定しております。


プロジェクトメンバー
中尾雪絵(Université de Nantes)、石川元子(Mines de Nancy)、岩下曜子(Université de Lille)、北井千鶴(Université de Technologie de Compiègne)

顧問
山田ボヒネック頼子先生 (ヨーロッパ日本語教育学研究所)

連絡先
kana.projet ● gmail.com (●を@​に置き換えてください)