今回は、第二言語習得研究の知見を応用し、J-Bridge等の日本語教育教材の開発に取り組まれている小山悟先生にお話をしていただくことになりました。なお、日本との時差の関係で今回の勉強会は午前中です。
皆さまのご参加をお待ちしております。
日本語の案内の後にフランス語の案内が続きます。
テーマ:コンテントベースの授業づくり
日時 : 2021年3月6日(土) 9時半〜11時半
主催 : 日本語教師会/Inalco
場所:ZOOM配信
講師 : 小山悟先生(九州大学留学生センター日本語教育部門准教授)
使用言語:日本語
対象:本勉強会はイナルコとの共催のため、会員以外の方のご参加も歓迎いたします。
参加費:無料
申し込み先:https://forms.gle/eE1T9cvhMRvuaPYA8
ZOOMのルームURL等は、前日にご案内いたします。
概要
私は長年、第二言語習得研究の知見を応用したトピックベースの教材開発に取り組んできました。その教材は、その日学習した文法や語彙を使って何が話せるかと考えるのではなく、その話題について話すためにどんな文型や語彙が必要かと考えさせるもので、全ての練習が実際に授業で教える順番に並べられたフルコース型のテキストでした。現在はそれをさらに発展させたコンテントベースの授業開発に取り組んでおり、大学教育の目標の1つである批判的思考力の育成を研究課題としています。研究の最終目標は、授業デザインの基本原則を「レシピ」としてまとめることによって、これを「◯◯先生だからできる」「◯◯大学の学生だからうまく」特殊な教授法ではなく、その気になれば誰にでも実践可能なごく普通の教授法にすることです。
本講演では、まず最初にトピックベースとコンテントベースの違いについて私なりの考えをお話ししたいと思います。その上で、デザイン実験という新たな研究方法を用いて開発した(あるいは開発中の)2つの実践について、失敗談も交えながらご紹介したいと思います。1つは「幕末・明治の歴史」を題材にした上級者対象の実践で、質問作成活動を通じて学生たちの批判的思考を促すことを目標としています。もう1つは、「身近な日本学」をテーマにした中・上級者対象の実践で、ジグソー法の導入によってグループ内の話し合いを活性化させ、発想力を高めようというものです。後者については初級者対象の授業案や活動作りのコツについてもご紹介できればと思っています。