テーマ:オンライン化で見えてくる学習者の「孤立」関係性構築から孤立解消まで
日時 : 2021年3月27日(土) 10時〜12時(フランス時間)
主催 : フランス日本語教師会
場所:ZOOM配信
講師 : 高久孝幸先生(帝京平成大学附属日本語学校)
使用言語:日本語
対象:フランス日本語教師会会員限定
参加費:無料
申し込み締切:2021年3月14日(日)
申し込み先:https://docs.google.com/forms/d/e/1FAIpQLSeLga5fU3u6hzxY0a-O1Zesu36ZbMwKOAeIp9DKbVeEjNIpBg/viewform?usp=sf_link
コンタクト : bureau@aejf.asso.fr
ZOOMのルームURL等は、勉強会前日にご案内いたします。
テーマ:オンライン化で見えてくる学習者の「孤立」
関係性構築から孤立解消まで
高久孝幸(帝京平成大学附属日本語学校)
2020年突如、新型コロナウィルスが猛威を振るい、私たちの生活を一変させました。と同時に教育機関で突然始まったオンライン授業。日本国内においては、昨年4月に発令された緊急事態宣言により、学習者たちは否応なくオンライン授業を自宅で受けることとなりました。遠隔教育は「いつでもどこでも」授業を受けることができるという利点がありますが、その一方で、人と会う機会は激減し、身近なつながりは減り、人間関係の希薄化の原因になります。その結果、コロナ禍のオンライン授業では、学習者の「孤立」が浮き彫りになりました。学習者が孤立状態にあるにもかかわらず、現場にいる教師はどう対処すればよいかわからず、見過ごすことがあります。学習者の「孤立」状態を放置したままでは学習者は慢性的に不安が積もり、精神衛生を悪化させてしまいます。
以上のような学習者の「孤立」を未然に防ぐために、教師は何かできるか、それをこのワークショップを通して、皆様と一緒に考えます。皆様に体験していただくのは、構成的グループエンカウンター(SGE)1)という「他者との出会いと人間成長」を取り入れたグループ体験型の教室活動です。
まず、「孤立」解消には、人と人が出会う①人間関係構築の場が必要です。そして、お互いの気持ちを分かち合える②感情体験の場の構築も必要です。以上①②を通して、学習者の心理面の発達を促すのがねらいです。
この活動では、エクササイズ(課題)-対話-シェアリングという共に分かち合い、良き人間関係を築く場を重要視します。その過程において、学習者一人ひとりが他者とのつながりの中で生きているという充実感に浸り、人生を肯定的に考えるようになります。さらにこのような一連の流れを長期的に行うことにより、学習者は徐々に自分の行動に修正をかけ、思考を拡大させていきます。そして、自分自身の抱える問題を乗り越えていくのです。
皆様には私が実際に授業で行っているSGEのグループ体験活動を体感していただきます。そして、実践後、学習者の心の支援教育をどのようにデザインしていくべきか、より具体的に学習者の「孤立」を解消するために、どのような支援が有意に働くか、皆様と話し合う時間を設けたいと思っております。
1) SGEとは、「ふれあいと自他発見」を目標とし、様々な人々との出会いを通して「個の自覚を支えに自己の本音にふれ、自己に気づき、自己の特定の思考・感情・行動のとらわれから自分自身を解放させること」。(『構成的グループエンカウンター事典』,2004)