日本語教師会主催 勉強会
テーマ :「ディスレクシア学習者に対して日本語教師としてできる支援」
日 時 : 2016年12月17日(土)15時〜17時30分
場 所 : パリ日本文化会館 教室1(フランス式1階)
講 師 : 大島弘子
所 属 : パリ第7大学
内 容 :
日本での日常生活の中では聞いたことのなかった「ディスレクシア」という言葉を、フランスに来てから自分の身の回りで時折耳にするようになったという人が多いのではないか。そのような時に「ディスレクシアって何?」と誰かが問い返すという場面には遭遇したことがない。このことから、「ディスレクシア」は、今のフランス社会において、一部の専門家や関係者のみが理解し用いる専門用語ではなく、普通の一般人が、その使用が専門定義に照らし合わせて正確かどうかはともかく、少なくとも日常生活の中で用いたり理解したりできる語彙の一つになっているということが分かる。言葉が日常生活に浸透しているということは、ディスレクシアの問題を抱かえるフランス人もかなりいるということだと思われる。子供から大人までを含む全体的な調査は、管見の限り、まだ行われていないようであるが、学童の場合は、Bulletin Officiel に掲載された2002年1月31日付通達によると、話したり書いたりするのに問題のある小学生(dysphasiaとdyslexiaの合計)は各クラスに4~6%おり、そのうちの1%が重度の範疇に入るという。概算では各クラスの1人か2人がそれに該当することになる。
我々の日本語のクラスでもディスレクシアを抱かえる学習者を担当する可能性はないとは言えないし、一度そういうことになれば教師は待ったなしで対応しなければならない。そのためには、ディレクシアとは何なのか、どの様な症状が現れるのか、どんな言語で現れやすいのか、フランスの教育システムの中ではどのような支援が今まで行われて来ているのか、日本語教師としての現場では何ができるのか、その時に指針となるものがあるのか等、色々知っておいた方がいい情報や知識が考えられる。
大島はディスレクシア研究の専門家ではないが、立教大学の池田伸子氏を代表者とする科研の研究「ディスレクシア学習者に対する教授法開発―教員養成における指針の策定と手引書の試作」(2012-2014年度)、「ディスレクシア学習者に対する実現可能で個別的な日本語教育支援体制の構築」(2015-2018年度)に海外研究協力者として関わる中で色々なことを調べたり考えたりしたので、この勉強会では日本語教師の皆さんと知識・情報を共有し、意見の交換を行いたい。
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【定 員】 20名
【参加費】 AEJF会員は無料、非会員は10ユーロ、
学生5ユーロ(26歳迄。要学生証)
【申込みフォーム】 https://goo.gl/forms/IkJ5C44ZaGOh1EP53
よりお申込みください。