【主催】フランス日本語教師会
【共催】ボルドー・モンテーニュ大学 言語文化学部日本語学科(UFR langues et civilisations – Département des études japonaises)
※ 本シンポジウムは対面のみでの開催になります。
【会期】 2026年6月5日(金)~6日(土)
【基調講演】
- 金水敏氏 放送大学大阪学習センター所長
- ジョエル・アダン氏 パリ・エスト・クレテイユ大学教授
詳細な情報に関しては、シンポジウム特設サイトをご覧ください –> AEJF Colloque Bordeaux 2026
【参加申し込み】
- 2026年3月に開始予定
【参加費】
- 会員の方:2026年度会費納入済みの場合無料
- 非会員の方:6月5、6日両日:20ユーロ /1日のみ参加:15ユーロ
- 非会員(学生26歳未満):6月5、6日両日:10ユーロ /1日のみ参加:7,5ユーロ
【開催趣旨】
文化的な創作活動と日本語教育
外国語としての日本語が一つの研究教育分野となってから半世紀が経とうとしています。その教授法やツールなども、インターネットの出現による学習者のプロフィールの多様化、最近のAIの目覚ましい発達などにより様々な変化を遂げています。
日本文化の学習に関しては、これまではどちらかというと言語と文化を切り離して平行線の距離を保ったまま教えてきた傾向があります。例えば、日本文化を紹介するテキストを読む、能や歌舞伎を映像で見る、伝統音楽を聴くというような授業です。
しかし近年になって、文化を言語と繋ぎ合わせた形で学んでいくという日本語教育が行われるようになりました。つまり、学習者自身が学習言語を使いながら文化的な創作活動をするというものです。その中には、演劇の教育的な意味と効果についての研究をもとに創作劇を取り入れた日本語の授業や、小噺や漫才といった日本の伝統芸能を紹介するだけでなく、実際に学生が自分で作った小噺を語るというアクティビティなどがあります。こうした創作的な取り組みは、言語を通して文化を学ぶというものではなく、言語を使って自分自身で作品を創り、体験しながら学んでいくものです。そのため、従来のアプローチに比べて学習者の達成感はより大きく、さらにモチベーションも上がります。
また、演劇やアニメ、小説などという創作活動そのものについても、作家や作品の歴史的、社会的な分析ではなく、作品の中で登場人物が話す言葉についての研究も行われるようになりました。特に日本語では、役割語やキャラ語という、フィクションで使われる言語表現が社会的なステレオタイプをどのように形づくり、文化の理解や語用論的な知識の習得にどのような影響を与えるのかについての研究が進められています。その成果からは、日本語教育において言語と文化の結びつきを再考する上で有意義な示唆が得られるものと考えられます。
今回のシンポジウムでは、このような文化的な創作活動について、講演者の方々、そして参加者の皆さんとともに、授業に取り入れることのメリットや難しさなどについて改めて考えてみたいと思います。
【連絡先】 シンポジウム実行委員会事務局 <aejfcolloquebordeaux2026★gmail.com>
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